沖縄県国頭村 2019年5月
全然5月の記事が追い付かぬまま気が付けば7月ももう終わり。すでに日記ではなくなっているやんばる日記です。おそらくリアルに更新できるようになるのは9月中旬かもわかりませんね。さて今回はオキナワトカゲです。近縁のニホントカゲは私の故郷神奈川県の住宅地の庭や空き地、公園などでお目にかかりますが、本種は沖縄島内のどこでも見れるわけではないようです。それに気づいたのもここ2,3年のことで、それまではニホントカゲと同じく、探せばどこにでもいると思いこんでいました。地元の方々のお話ではかつては気味悪いぐらいたくさんいたらしいのですが、沖縄在住の生き物に詳しい知人の間では現在ではそこそこ少ない生き物に分類されているようです。これまで観察してきたこのトカゲの生息環境からして住宅地のような場所でも十分生きていけるはずなのですが、その背景には戦前からの移入種マングースの影響があるように思えてなりません。人間から見るとオキナワトカゲの動きは俊敏ですが、恐らく日中の行動が主となるマングースにとっては捉えやすい格好の餌食なのだと思います。実際沖縄島内の各フィールドを昼夜散策しているとマングースの蔓延る地域の爬虫類相は希薄で、私が住んでいる本部半島とその界隈の名護市内ではこのオキナワトカゲをはじめアカマタ、リュウキュウアオヘビ、ガラスヒバア、ハブ、ヒメハブなどかつては人里近辺で見られたであろう爬虫類はほとんど見ることが出来ません。(どういうわけかアマミタカチホヘビやヘリグロヒメトカゲはよく見ます)現在マングースの駆除は塩屋湾以北の地域で効果が出ているようですが、以南ではまだまだ相当な数がいるので、近い将来この地域の個体数も減ってきてくれればいいなあと願っています。とは言っても人間に勝手に連れてこられたマングースにも哀れみを感じますが。。おそらく現代においてマングース移入のような過ちは今後は繰り返さないと思いますが、海外の生き物が流通するのは当たり前の時代になってきている分更なる外来種による在来種駆逐の被害が拡大しないことを祈るばかりです。
< 撮影機材:OLYMPUS OM-D E-M1/M.ZUIKO DIGITAL ED40‐150mm F2.8 PRO+MC-14 Teleconverter/FL-600R >