タイワンクダマキモドキ 奄美大島産
2013年 09月 08日
[ 鹿児島県奄美大島 2013年7月 ]
南西諸島において”タイワン”という和名を冠した昆虫は何十種類か知られています。そのほとんどは八重山諸島、沖縄諸島、奄美群島、と幅広く生息しているようです。ところがその中に奄美大島だけでしか確認されていないものもいます。タイワンクダマキモドキは国内生息のツユムシ科の昆虫では最大種で、体長は大きいもので70ミリに達します。”クダマキモドキ”(クツワムシに似た昆虫の意)という和名どおり見た目、大きさはクツワムシにそっくりなので、誤認されやすいのですが、油を塗ったような光沢を持ち、雌は産卵管が鎌状に湾曲する点(クツワムシは後方へまっすぐ伸びる)で区別できます。おそらくこの仲間の昆虫では最も本家クツワムシに似ているといえるでしょう。さてこの虫の分布域ですが、極めて局所的らしく、奄美大島以外では、高知県、宮崎県、鹿児島県で確認されています。どの地域も個体数が少なく、不思議なことに今まで雌しか見つかっていないのだそうです。もし単為生殖をするツユムシだとすれば、国産種では唯一ではないでしょうか。
<OLYMPUS OM-D EM-5/M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8/FL-300R+自作ディフューザー>