サカモトサワガニ 奄美大島産
2013年 08月 27日
[ 鹿児島県奄美大島 2013年7月 ]
奄美大島のサカモトサワガニは想像以上に巨大なサワガニでした。甲幅は最大のもので5センチ以上あり、脚を広げれば10センチ以上になります。滞在中は成体に5匹遭遇。どれも赤紫色の体で鋏脚の爪先が白く、歩脚の内縁が灰色に色付く特徴を持っていました。これがこの奄美亜種の特徴なのかもしれません。
本種は沖縄においては小型化する傾向にあるようで、そのほとんどが本土のサワガニよりやや大きめといった印象です。なので同島にいる甲幅6センチ近くなるオキナワオオサワガニやそれに続く甲幅5センチ台のオキナワミナミサワガニなどの強豪に存在感でかなり退けをとっていました。おそらく奄美でもそれほど大きくならないものと思っていましたが、写真の最大個体(甲幅5センチ弱)に出会ってその中型サワガニのイメージが十分覆されたのでした。おそらく奄美大島サワガニの最大種であることは間違いないでしょう。
今年の北琉球方面への遠征はほぼサワガニ探しの旅となっていました。日中に彼らが潜んでいそうな沢や湿地などを下見し、夜に探索を開始していました。実は過去2回の奄美遠征では奄美大島で一切サワガニ出会っていませんでした。おそらくクワガタ探しに夢中でいそうなポイントを通過していたり、林道を歩いていても見落としていたのかもしれません。なので本格的にカニを探し始めたのは今回が初だったのです。奄美のサワガニ事情はネットで検索してみてもあまり情報が出ません。おそらく撮影対象とされることがほとんどないのかもしれません。となれば沖縄、徳之島で培った経験を生かし、自力でいそうな場所をイメージして探すしかありません。それにしても島によってサワガニ事情は変わるもので、徳之島であれだけわんさかといたサワガニが全然見つからず、それに置き換わってモクズガニばかりでした。サワガニを見つけたのはうっそうとしたシダの藪の中を流れる渓流や崖の中腹にある湧き水などで、まさにハブだらけの環境に限って生息していました。よく今回もハブにやられることなく帰還できたなと今更になってほっとしています。
<OLYMPUS E-3/ZUIKO DIGITAL ED14-54mm F2.8-3.5+EC-14 Teleconverter/TF-22 Twinflash >