僅か数例の記録 オキナワトゲヒゲトラカミリ
2013年 04月 16日
[ 沖縄県国頭村 2013年4月 ]
今日の天気は予報では晴れのち曇りと出ていたので、朝早くからヤンバルへ出かけてみると、昼過ぎあたりから予報外れ、雷、強風を伴った雨に見舞われました。まさか今回までもその雨男度が発揮されるとは。。。仕方なく1時過ぎには現地を出発し、帰路に着きました。
さて写真は肌寒い風の吹き荒れる中林道のアカメガシワに複数いたトラカミキリの一種。昨日の晴天の余韻なのか、昆虫が活動するには悪い条件が重なっているのも関わらず、蛾やハチなどとともに晴れの日の状況と変わりなく、動き回っていました。林道沿いは風が吹き荒れ、なかなか思うように撮影できませんでしたが、粘るに粘って、なんとか種類の識別点である背面の模様を撮影することができました。カミキリムシは甲虫のジャンルでも好きな部類ですが、遭遇時は全く種類が分からず、以前図鑑を見て、なんとなく記憶していたオキナワズマルトラカミキリもしくはムネモンアカネトラカミキリなのだろうと思っていましたが、いざ図鑑の2種と撮影したトラカミキリを見比べてみると、全く模様、大きさが異なりました。
さらにネットで『沖縄 トラカミキリ』と検索すると、いくつかの候補の中に同じ模様のものを見つけました。その名もオキナワトゲヒゲトラカミキリ。トゲヒゲトラカミキリといえば実家のある横浜の野山でもちょうど今ぐらいの時期から出現する小型のカミキリムシなのですが、前者は後者とは亜種関係にあるわけではなく、全くの別種だそうです。そして驚いたのは、オキナワトゲヒゲトラカミキリは1988年に国頭村北部の林道で♀が1個体採集されてから、今までに僅か数例しか記録がないというのです。まさかの珍虫との遭遇。事前に知っていれば、もっと真面目に撮影していたのでしょう。今更になって悔いが残ります。
今日アカメガシワの花で遭遇した個体数は数えただけでも6匹近くはいたように思います。それも1箇所に集中していたので、もしかしたらとても良い穴場を見つけてしまったのかもしれません。
しかし、今月の後半は沖縄本島を数日離れるので、むこう一週間の天気や仕事との兼ね合いもあり、4月のヤンバルへ通えるのは今日が最後となりそうです。
つまり満開のアカメガシワの花と本種をセットで撮影するのは来年の春まで待たなければならないわけですが、果たしてその頃は今回のように発生していてくれているでしょうか。
<OLYMPUS E-3/ZUIKO DIGITAL ED50mm F2.0 MACRO+EC-14 Teleconverter/TF-22 Twinflash>
オマケ
トゲヒゲトラカミキリ [ 神奈川県葉山町 2008年5月 ]