洞窟の中で暮らすイヘヤキマダラウマ
2011年 09月 24日
南城市 2009年12月
一昨年の12月に遡りますが、ふと洞窟に棲む昆虫に興味が沸いて、南部の洞窟へ入ったことがありました。
そこで見つけたのがこのカマドウマの仲間です。このバッタに近い昆虫は本土にも数多く生息していて、山間の公衆便所によく出没することから通称”便所コオロギ”なんていう酷い俗称があります。写真のものは全長は1センチほどと小さく、ずっとカマドウマの幼虫かと思っていましたが、その約1年半後の一昨日、「琉球の鳴く虫たち」という専門書で調べたら、体の色や模様からしてイヘヤキマダラウマ(Neotachycines obuliquofasciatus)だということが判りました。この種は沖縄島とその周辺の離島伊平屋島の洞窟内に生息するそうで、ある意味固有種です。南西諸島のカマドウマの仲間は島ごとに細かく分化しているようなので、今後も新種記載が相次ぐのではないかと言われています。
ちなみにカマドウマの仲間は皆羽を持たず、発音器官もなければ、聴覚器官もないので、オスは同種のメスへのアプローチをする際、腹の部分から特殊な臭いを放出してコミュニケーションを取るそうです。それもヌカミソが腐ったような臭いだとか。。。見た目も住む環境も変わっていれば、生態も変わった虫なんだなと思いました。でも考えてみれば僕ら人間もTVや雑誌でどこどこの香水を使う良いとかなんとか言っているのを見ていると、この虫達とそれほど変わらないのかもしれません。
産卵管を持ったメス
生息環境
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