原生林の奥深くで生活する小型種 トクノシマコクワガタ
2011年 08月 19日
徳之島 7月
奄美、徳之島の撮影旅行では常にクワガタムシがターゲットだったので、その姿を拝むには、クワガタをおびき寄せるフルーツトラップ(※)は必需品でした。でも仕掛けた40個のトラップのうち大体は他の採集者にクワガタを罠ごと持って行かれたり、罠をひっくり返されてそのままだったりで、思ったような成果は上げられませんでした。採られた後は蛾かカナブン、ばかり。。。いくら100均で揃えた小道具とはいえ、出費、猛暑の中罠仕掛ける労力を思うと元がとれませんでした。なので後半は戦意喪失してしまいました。が、そんな中唯一斜面の樹の裏に仕掛けたトラップでトクノシマコクワガタ(Dorcus amamianus kubotai)を見つけることができました。このクワガタは深い原生林の中で生活する種類で、人里の森では殆どお目にかかれません。大きさは旅の中で出会ったクワガタ中最も小さい3センチ弱のものですが、雄雌合わせて4匹もの姿を拝めたときは感動でした。
トクノシマコクワガタは奄美から沖縄諸島、西表島に生息するリュウキュウコクワガタの徳之島亜種で、本州などに分布するコクワガタ(Dorcus rectus)とは別種です。
※フルーツトラップ:ストッキングにバナナのぶつ切りを入れ、それに上から焼酎をかけて、2晩くらい寝かせたもので、樹液食性の昆虫が好む酸味の強い臭いを放ちます。
これをクワガタの来そうなシイの木などにぶら下げたり、巻いたりして仕掛けて行きます。
<OLYMPUS E-510 /ZD ED 50 Macro /Twin Flash マニュアル発光 /絞り優先AE>