[ 沖縄県渡嘉敷村 2014年7月 ]
渡嘉敷島滞在中は好天に恵まれましたが、昆虫撮影においては決していい条件ではありませんでした。昼夜問わず森は干からび、虫たちの動きは下火です。そんな厳しい状況でも一際元気な声で鳴く虫がいました。アシグロウマオイです。この虫に最後に会ったのは、昨年に行った琉球列島最北の島トカラ列島口之島以来です。本州、九州にはいない虫ですが、考えてみると琉球列島における本種の分布はかなり広範囲だということに気付かされます。(ちなみに沖縄島にも普通にいます。)この虫の魅力、それは雄の羽が風船のように膨らんだ形をしていて、鳴く虫では最も奇妙な姿をしているところです。そして気になる鳴き声ですが、ウマオイとつくからには童謡の”虫の声”に登場するウマオイのスーイッチョン♪を連想しますが、これがまた全然違い、本種の鳴き声はギュギィィ・・♪と連続して鳴きます。その音はお世辞にも美声とはいえませんが、やんばるでこの虫の声を聞いていると沖縄の夏が中盤に差し掛かり、秋の足音が近づいている。そんなように僕は感じます。
< OLYMPUS OM-D EM-5/ZUIKO DIGTAL ED50mm F2.0+EC-14 Teleconverter+MMF-3 Mountadapter/STF-22 Twinflash >
DATA
◎ アシグロウマオイ Hexacentrus fuscipes
直翅目 コオロギ亜目 キリギリス科
体長:17~23mm
分布:南西諸島(奄美大島以南とありますがトカラ列島でも確認)、小笠原諸島