Yanbaru walker`s diary ~やんばる歩き人のぼやきごと~
2012年 09月 22日
沖縄県国頭村 2012年9月
去年よりハードさを増した、夜戦ですが、相変わらず幻の腕の長い怪物さんは撮影できていません。
去年の遭遇からあと数日で1年を迎えます。もう今年は無理に違いないでしょう。思い起こせば、8月半ばから始めた十数回に及ぶ、この危険かつ途方もない孤独な夜のヤンバルの樹海探索。原生林の奥深くに点在する合計15箇所のポイントを5キロの撮影機材を背負いながら進む過酷な行程はよく今まで体が持ったなとつくづく思います。週に2,3回ヤンバルへ向かい、林道から外れてハブを警戒しながら、原生林の奥地を何キロも歩き、道なき斜面を下っては登り、渓流を3本も渡っては遡り、行く手を阻むリュウキュウチクの竹林をヤブ漕ぎしたり、それはまるで出口のない迷路を歩いているような感覚でした。長いときで日暮れから翌朝まで歩き続けたこともありました。ときにはGPSの操作を誤って道を見失い、深夜の森の中1時間半もさ迷い、遭難し掛けたこともありました。慣れたフィールドとはいえ過信してはいけないと大いに思い知らされ、そのときは500mlのペットボトルに僅かに残った水を眺め、途方に暮れましたが、無事目印の倒木を発見して、帰還ルートに到達した際、このうえないご褒美を見せてもらえたりと、ヤンバルの森の寛大さに感謝した日もありました。やはり半端な気持ちでこの森は歩けない。。そうヤンバルの森の住人たちが教えてくれたに違いないでしょう。一度はもう探索を打ち切りろうかと思いましたが、あの怪物に遭遇した記念日を過ぎるまでは僅かな可能性に賭けて、深夜の森へ通い続けるつもりです。
写真は副産物的に遭遇したオキナワマルバネクワガタ中で一番小さかった雄個体54mm。今頃彼はあの深い森のどのあたりをあるいていることでしょうか。おそらく林道に出ることはないでしょう。
<OLYMPUS OM-D EM-5 /ZUIKO DIGITAL ED14-54mm F2.8-3.5+MMF-3/内臓ストロボ+ディフューザー+FL-36R>